(2009年5月15日)
先日、「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン『熱狂の日』音楽祭2009」というイベントが東京国際フォーラムで開催され、私も妻のアンと一緒に楽しんできました。このイベントはもともと、フランスで誕生したクラシック音楽祭を手本にしており、今年はヨハン・セバスチャン・バッハをテーマに、7つの会場でさまざまなクラシック音楽のコンサートが行われました。小さな子どもたちもコンサート会場に入場して、クラシック音楽を鑑賞できるようにしている点で、とてもユニークな音楽祭でした。1回の公演時間は短めでしたが、これは子どもたちにも聴きやすいようにするためで、公演のプログラムには有名な作曲家たちの生涯を紹介する素晴らしい漫画も描かれていました。また「あなたの近くに座っている子どもに目を向けてみましょう。もしかしたら、その子は日本の未来のマエストロかもしれませんよ」というような言葉も書かれていました。
私たちが足を運んだコンサートのひとつは、ロシアの音楽家4人が伝統的な民族楽器を演奏するものでした。バッハというドイツの作曲家が作った曲を、ロシア人が解釈して見事に演奏し、それを日本の子どもたちが聴く、という光景を会場で目にした私は、音楽に国境がないことに驚きを覚えました。昔は、「西洋音楽」の代表はバッハ、ということで間違いなかったかもしれません。でも、あの会場にいた日本の若き「マエストロ」たちにとっては、そこで聴いたメロディーも、彼ら自身の文化の一部となったのです。
同様に、日本文化は私の母国アメリカでも徐々に広まっています。今では、アメリカの子どもたちも、おすしを食べたり、日本製のコンピューター・ゲームで遊んだり、日本のアニメを見たり、あるいは好きな日本人メジャーリーガーに声援を送ったりしています。こうした文化交流のおかげで、私たちの暮らしは以前よりずっと充実したものになりました。
音楽祭当日は、夫婦で生演奏の音楽を楽しみましたが、音楽が好きな、多くの日本の若い人たちとすてきな国際交流の時間を持てたことも良い経験でした。
ではまた次回。
ジム
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