(2009年7月24日)
東京は「都会のハイキング」に適した町です。都内のそれぞれの区域には、はっきりした特徴があり、距離的にもそれほど離れていないため、1回の散歩でいろいろな風景を目にすることができます。私もたまに、特に行き先を決めず、徒歩で外出することががあります。こうした都会のハイキングでは、興味深いお店や閑静なお寺など、必ず新しい発見があります。それに、とても親切で優しい人たちに出会うこともしばしばです。
先日散歩に出た時のことです。市街地図をぼんやり見ていたら、とても親切な若い女性が近づいてきて、英語で「Can I help you?」と声をかけてくれました。私は道に迷っていたわけでもなく、日本語の地図も読めましたが、不慣れな外国人に対する彼女の親切心に水を差したくないと思い、最寄りの地下鉄の駅までの行き方を尋ねました。すると、口調はゆっくりでしたが、はっきりとした発音の英語で道を教えてくれました。私は彼女にお礼を言い、都内の観光を楽しんでいるところだという話をしました。
また別の日には、小さなお店で手焼きせんべいを売っている、すてきな年配の女性に出会いました。日本語で少しおしゃべりをして、せんべいの代金を払うと、どこから来たのかと聞かれました。私がアメリカ人だと答えると、彼女はにっこりとほほ笑み、たどたどしい英語で「Yes We Can!」と言ってくれました。オバマ大統領が大統領選挙戦で掲げた標語を熱心に唱える彼女の姿を、今でもはっきりと思い出します。
東京というこの大都会の活気も、ここで出会う多くの興味深い人たちも、私は好きですが、時折ゆったりとした気持ちになれる静かな場所へ行きたくなることもあります。私の好きな場所のひとつに赤坂の氷川神社があります。この有名な神社は忠臣蔵にも出てきますが、訪れる人の姿はほとんどありません。皆さん、忙しすぎるのでしょうか。
私は、朝のジョギングの最後に、氷川神社に寄り道することがあります。石畳の落葉を掃く音がして、とても気持ちが落ち着きます。夏には、樹齢400年を超えるといわれる大イチョウが涼しい木陰をつくってくれます。私はいつも100円玉をひとつ、さい銭箱に入れることにしています。ここまでわざわざ足を運んで立ち寄る人はほとんどいないでしょうから。
どんなに忙しくても、私はなるべく時間をつくって都内を歩くことにしています。東京が持つたくさんの素晴らしいところ、豊かな文化、そして長い歴史を再発見できるからです。このような魅力的な都市に住むことができるのは、本当に幸運なことです。
ではまた次回。
ジム
東京の知佳さんからのコメント:
赤坂の氷川神社はあまり人が寄らないみたいですね。お時間があったら是非、石神井公園内の氷川神社にいらしてみてください。ボート池の奥の三宝池の橋を渡って豊島城跡を登っていったところにあります。三宝池では、カワセミ(kingfisher)の姿をとろうとカメラマンが今日も池をぐるりと囲んでいるでしょう。カワセミ小さな池ですが、大きな木が囲み、街中の気温より1度、2度低く、夏は涼しいのです。
では、日本滞在を楽しんでくださいね。
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