Z Notes Blog by Jim Zumwalt
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米国と日本の科学

(2009年10月2日)

大見教授の案内で研究所内を見学
(写真提供 東北大学)

 最近、東北大学を訪問し、2人の素晴らしい人物にお会いしました。1人は、優れた日本人科学者の大見忠弘博士で、その研究成果は、日米両国の半導体メーカーにより商用化されています。博士の研究は、半導体を使うコンピューターなどの製品の改良に貢献してきたのです。もう1人は、カリフォルニア大学リバーサイド校(UCR)の博士課程に在籍する、アルフレード・マルチネス・モラレスという若い学生で、大見博士の下で研究をしていました。夏季交流プログラムで、UCRの生物医学・ナノ技術研究所から東北大学を訪れていました。

 大見博士のような有名な科学者と一緒に研究できるということで、アルフレードはものすごく刺激を受けていました。その上、彼の説明によれば、東北大学には世界レベルの研究設備があるので、自分の研究に新たな機会が生まれたそうです。大見博士とアルフレードの2人は、太陽光エネルギーを電気に変換する太陽電池の新たな製法の開発を目指すチームの一員です。大見博士の説明では、従来の太陽電池は製造コストが高く、発電効率が低いことが、幅広い採用を妨げる主な原因のひとつになっているそうです。大見博士の研究室は、太陽電池の製造コストを抑えながら、現在の太陽電池発電と比べた場合の発電効率を大幅に向上させる新たな技術を研究しています。

アルフレード・マルティネス・モラレス(左)と話す私

 アルフレードは非常に楽観的で、東北大学とUCRの共同研究プロジェクトがこの新技術の開発に成功し、5年以内の商用化も可能だろう、と言っていました。「私たちの研究は驚くべき速さで進んでいます」と、アルフレードは話してくれました。日本に来て大見博士と一緒に研究できたことは「人生を変えてしまうような経験」であり、UCRに帰ったらこの経験を生かしたい、とも言っていました。日米両国の科学者たちが協力すれば、地球温暖化という深刻な問題に対処するために欠かせない新技術の開発が可能になるだろうと、彼は確信していました。彼らの行動力、協力の精神、未来に対する楽観的な見方にとても勇気づけられました。

ではまた次回。

ジム

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