(2009年10月23日)

　「普段はどんな仕事をしているのですか？」―こんな質問が、多くの読者から寄せられています。難しい質問ですね。というのも、私のスケジュールは「日替わり」だからです。でも、皆さんに私の仕事をもっと知ってもらうために、今回はその一部を紹介しましょう。

　日常的な仕事のひとつとして、大使館の外に出て人に会うことがあります。

　日本駐在の米国外交官である私たちにとって最も重要な仕事は、米国の国益を推進し、米国についての情報を日本国民に伝えることです。そのひとつの手段として、日本の指導者に会い、日米双方にとって重要な問題を話し合います。

　先日、ルース大使が前原誠司国土交通大臣を訪問した時には、私も同行しました。輸送の安全の促進、日米それぞれの経済での新たな省エネ技術の導入、そして航空サービスなどの分野での貿易自由化の推進で、前原大臣やそのスタッフと協力していくことは、米国の大きな関心事です。

　ルース大使と前原大臣は、日本の高速鉄道技術を米国で利用することができるのか、その見通しについても意見を交わしました。オバマ政権は、運輸部門の低炭素化を目指すため、米国内の高速鉄道網整備に大きな関心を持っています。また、航空問題や、沖縄の地域振興のために米国が沖縄に投資する可能性ついても触れました。ルース大使からは、太平洋に浮かぶ島であるハワイやグアムも、地域振興の面で沖縄と同じような問題に直面している、との指摘がありました。この会談がきっかけとなり、日米の企業が両国の相互利益のために協力していく機会が増えていくのではないでしょうか。

ではまた次回。

ジム