Z Notes Blog by Jim Zumwalt
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ゲスト・ブロガー 神立景子さん

(2009年11月20日)

 今回は在日大使館の経済部で上級科学担当スペシャリストとして働く神立景子(かんだち・けいこ)さんをご紹介します。彼女は私の最初のゲストブロガー役を引き受けてくれました。なかなか面白い話だと思いますが、ぜひ皆さんのご感想もお聞かせください。

ジム


私たちのチョウを救おう

これは何だと思いますか?

 まずは右の写真をご覧ください。何だと思いますか? もちろん、チョウと葉っぱですね…いや、ちょっと違います。実は、みんなチョウなんですよ!

 これはワシントンDCにあるスミソニアン協会・国立自然史博物館の膨大なコレクションのごく一部です。米国国務省の科学・技術・環境問題を担当する、アメリカ人と私のような現地採用職員を対象とした研修に参加したとき、これを見て驚きました。倉庫に入っている標本で一般公開はされておらず、とても貴重な体験でした。これらのチョウは南アメリカから来たそうです。

 大使館での私の日常業務は、ワシントンの政策立案者のために気候変動、海洋・漁業、絶滅危惧(きぐ)種などの地球環境問題について分析・報告し、意思決定に必要な材料を提供することです。意外に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、国務省の全職員5万人のうち、現地採用職員は3万人を占め、最大のグループになっています。アメリカ人の外交官はほぼ2~3年で異動しますが、現地職員は長く働いて日米2国間・多国間問題についての知識を蓄え、日本政府、政界、非営利団体、産業界、学術界らの方々との主なリエゾンになっています。私は日米協力の長い歴史を続けていくという、大使館の重要な任務の屋台骨を支えていることに誇りを持っています。

国務省付属外務研修所(バージニア州)で行われた研修には、フィジーからベルリンまで世界中から同僚が参加(中央が筆者)

 環境問題はまさに地球規模の課題であり、将来にわたる持続可能性にとって国家間の協力は不可欠です。政策立案者に正確な情報ときちんとした分析を提供することは、私たちの地球の運命を決めるうえで最も重要だといえるでしょう。私は仕事をするうえで、これまで英科学誌「ネイチャー」などで積んだ過去13年間のジャーナリズムの経験を生かし、客観的かつ論理的に、さまざまな観点から変化をとらえるよう努力しています。

 私の仕事が、みんなを笑わせてくれた個性的なチョウを守ることにつながっているといいのですが。

では皆さん、お元気で。

神立景子

COMMENTS

神立様

貴重なご公務をまっとうされ、またご自身のたくましいお考えに頭がさがります。「環境問題」にみる世界中の人々の「関心」だけにとどまらず調査・実行は重大です

わたしは昆虫は苦手ですが時に見る蝶や小動物(?)心なごみます。未来の夢を「夢」で終わらせるコト無く美しい現実を向かえられますよう祈念して。神立様ありがとうございますm(__)m

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