(2010年4月13日)
前回の私のブログ「さようなら、歌舞伎座」に続き、今回はゲストブロガーとして、在福岡米国領事館のマルゴ・キャリントン首席領事が、彼女自身の歌舞伎にまつわる話を披露してくれます。
ジム
「歌舞伎外交」
歌舞伎に出演する―これは、たいていの人が考える伝統的な外交官の役割とは違いますし、在福岡米国領事館首席領事の私にとっても、全く想定外の出来事でした。でも、この「歌舞伎外交」は、九州の皆さんと心を通わせるという点で驚くほど効果がありました。
「福岡チャリティー歌舞伎」に出演する私(左から2人目)- YouTubeの映像
私には、東京の米国大使館で6年間勤務した経験がありました。それでも、福岡に来てみたら、最初のうちはちょっぴりカルチャーショックを受けました。私がまず格闘しなければならなかったのは「博多弁」でした。博多弁で「ようきんしゃった」と言われても、その意味が分かりませんでした。
日常の私はこんな感じです
地元の名士たちが出演する「福岡チャリティー歌舞伎」に、出てほしいと声がかかった時、私が心配した点は、舞台上で着物を着てどう振る舞ったらいいのか、ということでした。それに、博多弁よりもっと難しい昔の日本語のせりふをたくさん覚えないといけないことも不安でした。それでも、練習に練習を重ねた結果、本番ではなんとかうまくいき、福岡の皆さんに私の努力を認めてもらえました。
公演後しばらくの間、福岡の人たちが私に声をかける時は、演じた役名の「メリケンお丸」で呼ばれました。そして、米国領事館の人間が時間を割いて、歌舞伎という日本の大切な芸術について学んでくれたことをうれしく思う、と言ってもらえました。この忘れられない体験を通じて、福岡の政財界人の方々との関係を強化することもでき、歌舞伎外交の威力を実感しました。
マルゴ・キャリントン
マルゴさん
先日メリケンお丸のお写真は見せていただきましたが、今日映像を拝見して、ビックリ!お忙しいなか、難しい台詞を暗記されるのはさぞ大変だったことでしょう。
太宰府の曲水の宴の十二単も素敵でした。
現地の文化に一生懸命取り組まれる姿が、地元の人々の心に響くのだと思います。
ジム様 アン奥様 キャリントン様
よう日本へようきんしゃった。ごゆっくりなさいませ