Z Notes Blog by Jim Zumwalt
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「地球的視野で考え、身近なところから行動する」

(2010年4月27日)

 「あしながおじさん」。このアメリカの児童文学を、皆さんは読んだことがありますか。私は子供のころ読んだ記憶があります。

米国大使館を訪れた長岡さん(写真左端)、ナブケニャさん(右端)と(3月26日)

 最近、この小説から名前を取った非営利組織(NPO)があることを知りました。「あしなが育英会」というこの会は、親を亡くした子供たちに心のケアや経済的支援を提供しています。会の代表者から伺った話では、これまでの40年間に、8万人の遺児がこのNPOから支援を受けており、その財源の大部分が一般市民からの寄付で賄われています。また、同育英会は、ハイチなど日本以外の国でも活動しています。

 創始者のひとりである玉井義臣氏が会長を務める「あしなが育英会」には、親を亡くした2人の大学生も参加しています。ひとりはウガンダ出身のリタ・ナブケニャさん。彼女は早稲田大学で国際関係論を学ぶ留学生で、中国での1年間の交換プログラムを終え、最近日本に戻って来ました。もうひとりは日本大学の4年生で、自然地理学を専攻する長岡弘晃さん。彼もまた、メキシコ留学から帰国したばかりです。ナブケニャさんはウガンダに戻り、母国の役に立ちたいと考えており、長岡さんは防災や災害被害の軽減に貢献するために地震について学びたい、と話してくれました。2人はともに片親を亡くしていますが、「あしなが育英会」の支援のおかげで、人生の新たな目標に取り組み、それぞれの夢を追求することができました。

 2012年は、ジーン・ウェブスターの小説「あしながおじさん」の出版100周年に当たります。育英会では、この100周年を機に、アフリカやアジア、そして日米両国で活動を拡大していく計画です。彼らの活動から、「地球的視野で考え、身近なところから活動する」という言葉を思い出しました。「あしなが育英会」は、日本国内で始めた活動を地球的規模で発展させ、これまで多くの若者に新たな希望を与えてきた日本のNPOの好例ではないでしょうか。

ではまた次回。

ジム

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