Z Notes Blog by Jim Zumwalt
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クールジャパン! ハイテクジャパン!

(2010年6月4日)

 先日、米国から日本にやってきた大学生の一行16人が米国大使館を訪れ、現在参加している夏季インターンシップ・プログラム「ナノジャパン」について説明してくれました。彼らは若く、とても聡明な学生たちです。来日したのは5月で、まず都内で3週間の日本文化と日本語の集中講座を受けた後、日本有数のナノテクノロジー研究機関で8週間の実務研修をすることになっています。

 彼らの話では、日米両国だけで、世界のナノテク研究開発支出総額の約60%を占めるそうです。そこで、米国国立科学財団(NSF)では、米国の若手科学者や技術者が、それぞれの専門分野の日本人研究者と人脈をつくるために役に立つこのインターンシップ・プログラムを強力に支援しています。

NSFの「ナノジャパン」プログラムの説明に都内の米国大使館を訪れた米国の大学生たちと

 米国の学生たちは、自分たちの計画している研究について、科学の分野では門外漢の私にも理解できるように、とても分かりやすく説明してくれました。彼らは、東京、大阪、仙台、北海道、長野の研究機関で、世界的に有名な日本人科学者と一緒に仕事する機会を得て、とても興奮した様子でした。学生の1人は、その理論を大学の授業で学んだことがある教授に直接会えるので、とても光栄だと話してくれました。また、別の学生は高校生の時からずっと日本語の勉強を続けており、高校のクラスメートの多くは夏休みを利用して来日し、日本語の集中講座を受講したけれども、彼は米国の科学研究機関で働く方を選んだと話してくれました。しかしその後もずっと日本に行ってみたいと思っていたので、今回、日本文化を学ぶことと、自分の研究分野で新たな経験を積むことの両方を一度に実現する機会を得て、大変喜んでいました。

 「皆さんがこの夏休みに、日本の研究機関でナノテクの研究をしようと決めたのは、どうしてでしょうか」。こんな質問を私から学生たちにしてみました。すると、「日本の文化と技術の両方に興味があったから」という答えが返ってきました。その中の1人は、哲学と物理学での学位取得を目指し、この2分野を同時専攻していると言いました。この学生は、日本の大学で研究しながら、日本人の考え方を学びたいそうです。ほかの何人かの学生たちも、米国の大学で理工学系の分野を専攻しながら、日本語だけでなく日本の歴史や文化も勉強してきました。

 学生たちとの面談が終わった後には、日米間の科学協力の未来は大丈夫だと励まされたように感じ、楽観的な気分になっていました。彼らのような米国の若い科学者たちが、日本文化に魅力を感じてくれれば、きっと日本の科学者たちと強固な人脈を築き、人間の知識の向上を目指し、これまで以上の協力関係をつくり上げてくれるはずです。「クールジャパン」と「ハイテクジャパン」の好例ではないでしょうか。

ではまた次回。

ジム

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