Z Notes Blog by Jim Zumwalt
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日本の自由擁護者

(2010年6月29日)

 私は在日米国大使館の首席公使として、素晴らしい方々にお会いする機会に恵まれています。今回はその中から、最近お目にかかったひとりをご紹介します。この方とお会いして、私も人生の目標の達成を目指し、さらに精進しようという気持ちになりました。それは「北朝鮮難民救援基金」の代表理事を務める加藤博氏です。米国国務省の「2009年自由擁護者賞」の候補者に選ばれた加藤さんをたたえる表彰状を、在日米国大使館から加藤さんに授与しました。

 加藤さんからは、毎年数多くの北朝鮮難民が中国やロシアに逃れてくるという話を伺いました。中国に入国してから大変つらい目に遭っている人も多く、北朝鮮に強制送還される可能性もあります。北朝鮮に戻った彼らを待ち受けているのは、収容生活であり、処刑される場合もあります。こうした絶望的な状況に置かれた難民の支援を目的に、加藤さんが北朝鮮難民救援基金を共同で設立したのは1997年のことでした。同基金は北朝鮮難民に、食料、衣類、医薬品、避難所を提供しています。また、一部の難民については、安全な国への定住を支援しています。加藤さんには北朝鮮政府から逮捕状が出ているので、こうした人道支援活動をするために大きな危険を冒していらっしゃることになります。

 北朝鮮難民の人権保護に関わるようになった理由を加藤さんに尋ねると、1960年に北朝鮮に帰国した、高校時代の在日朝鮮人の友人のことを話してくれました。それから数十年後、加藤さんはロシアで貧しい生活を送っている北朝鮮難民に会い、とても気の毒に感じた時、ふとこの旧友のことを思い出したそうです。

 お会いしてみたら、加藤さんはとても穏やかで、語り口もソフトでした。そんな加藤さんが生き生きとした表情を見せたのは、ご自身の生涯の使命に話が及んだ時です。アメリカ大使館からこのような表彰状をもらって光栄だと加藤さんはおっしゃいましたが、実際のところ、このような社会意識の高い人道支援活動家を表彰できた私の方こそ、光栄に感じました。

ではまた次回。

ジム

COMMENTS

ジム様

「社会意識の高い..」そう、私も含めイロイロな問題を「ひとごと」でなく己の事の様に考える・行動できる私になりたいと存じます。加藤さんのお話わたしもお聞かせいただきたかった。

日本に加藤さんのような方がいらっしゃる事、嬉しい気持ちと共にわたしも精進しなければと考えさせられるお話でした。加藤さん、ジム様ずっとお元気でいらしてくださいませ。

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