(2011年1月14日)

　１月 17日はマーティン・ルーサー・キング・ジュニアの誕生日で、米国の祝日です。この日は東京の在日米国大使館も、キング博士の生誕を祝ってお休みになります。1963年８月28日、キング博士はワシントンのリンカーン記念堂の前で、米国の公民権運動を大きく変えることになる演説をしました。その日、公民権を支持する20万人もの人々が「ワシントン大行進」に集まりました。この平和的なワシントン大行進は当時のケネディ政権への圧力となり、人種を問わずすべての米国市民を対象に公民権を推進する法律制定の動きが連邦議会で加速しました。

　演説の終盤、マヘリア・ジャクソンというアフリカ系アメリカ人の女性ゴスペル歌手が叫びました。「あなたの夢のことを話してあげて、マーティン！」彼女が言及したのは、その年キング博士がデトロイトでした感動的な演説のことでした。ジャクソンの言葉を聞いたキング博士は、あらかじめ用意していた演説原稿から離れ、人種差別のない、ひとつにまとまったアメリカの実現という「夢」を語り始めました。17分の演説で、キング博士は「私には夢がある」というフレーズを８回使っています。これは彼自身が感じている未来への希望を聴衆と分かち合うためでした。

　「私には夢がある」。この演説をあらためて聴いてみると、あの日のキング博士の言葉が今も私たちを鼓舞し、努力の先にはより明るい未来がきっと待っているという希望と楽観的な気持ちを抱かせてくれているようです。

ではまた次回。

ジム