Z Notes Blog by Jim Zumwalt
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永平寺での写経

(2011年1月21日)

 昨年の暮れ、日本海側の福井市近郊の山奥にある永平寺を訪れました。中国の天童山で禅の修業をした道元禅師が永平寺を開山したのは1244年。以来700年余りにわたり永平寺は、日々の一挙手一投足に至る禅の修業で悟りを追い求める道元禅師の弟子たちの鍛錬の場となってきました。

 同行した名古屋アメリカンセンターのスタッフと共に、修行僧に境内を案内してもらい、日常の禁欲的な生活について説明を受けました。毎日夜明け前に起床し、大僧堂で1時間の座禅を組みます。修行僧1人当たり一畳分の空間があてがわれ、その上で座禅し、眠り、食事を取るのです。

スティーヴン・ウィーラー名古屋アメリカンセンター館長と写経に挑戦しました

永平寺で寺下さんと

 修行僧たちは朝の座禅を終えると本堂へ移り読経します。この後朝食ですが、その献立はお椀一杯のお粥に香の物。朝食が済むと午前中の残りの時間は床の雑巾がけをします。各部屋と廊下の板張りの床は、何百年も続くこの日々の拭き掃除でピカピカに磨き上げられています。こうしたつらく地味な作業は永平寺での修行には欠かせない部分です。厳しい寒さにもかかわらず、案内役の修行僧は素足でサンダル履きでした。相当冷たい思いをしていたはずです。

 見学が終わると、スティーヴン・ウィーラー名古屋アメリカンセンター館長と同センターで広報企画担当として働く寺下さん、そして私の3人で、毛筆書きの写経に挑戦してみました。まず硯で墨をすることから始めました。細い筆に墨をつけて実際に書いてみると、小さな文字を書写するのは見た目以上に難しいことが分かりました。画数の多い文字の一筆一筆を重ならないように書くのにひと苦労したからです。読める文字を書き上げるには本当に集中力が必要でした。写経が終わると緊張が解けてゆったりとした気持ちになり、落ち着くことができました。

 案内役の修行僧には写真をご一緒願えませんでしたが、私たちが写経をしている様子を写真に撮りました。どうぞご覧ください。

ではまた次回。

ジム

COMMENTS

ジム様

「厳しさ」があっての「優しさ」ですね

ズムワルト首席公使様

永平寺の話を、大変、興味深く拝読し、貴殿のチャレンジ精神に感服しました。小生も40年ほど前、永平寺で一日体験をしたことがありますので、当時の思い出が甦ってきました。また、写経にも挑戦されたとか。日本人でも、写経をした人はそんなに多くないはずですので、貴殿の「郷に入れば郷に従え!」のスピリットに対して、改めて畏敬と尊敬の念を感じました。

穴井誠二(元 日米協会個人会員)

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