Z Notes Blog by Jim Zumwalt
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ISSへの補給任務

(2011年2月4日)

ISSに近づいた「こうのとり」をロボットアームが捉えたところ(写真 NASA)

 年明けの1月末、米国航空宇宙局(NASA)のキャディ・コールマン宇宙飛行士が、国際宇宙ステーション(ISS)のロボットアーム(カナダ製)を操作して日本の宇宙船を把持し、そのドッキングに無事成功しました。日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)がこの宇宙船を種子島宇宙センターから打ち上げたのは、その5日前のことでした。JAXAの技術者たちが、筑波宇宙センターにある地上の運用管制室から遠隔操作でこの宇宙船を飛行させ、ISSから約10メートルの位置まで誘導しました。この遠隔操縦は驚くべき離れ技です。なぜなら宇宙空間を時速2万2000キロで飛行する2機の宇宙船同士にとって、許容誤差がほとんどないに等しい距離だからです。

宇宙ステーション補給機「こうのとり」2号機(2010年11月25日、鹿児島県の種子島宇宙センターにて、写真 JAXA) [拡大]

 ISSの乗組員たちは日本のこの無人補給船の到着を大歓迎しました。搭載荷物の半分近くが、水と食料や科学機器などNASAの供給物資です。乗組員らは早速、この宇宙ステーション補給機「こうのとり」2号機(HTV2)のハッチを開けて中身を出し始めました。間もなくISSから出たゴミをこの無人補給機に積み込むことになっています。

ISSのモジュールのひとつ「ハーモニー」にドッキングした「こうのとり」2号機で作業するロシアのオレグ・スクリポチカ宇宙飛行士(写真 NASA)

 この「宇宙ゴミ」ですが、驚いたことがあります。米国大使館でNASA駐日代表部代表として働くジャスティン・ティルマンさんによれば、少なくとも20年間、乗組員が交替で居住する宇宙ステーションでは、ゴミの回収は大変な作業だそうです。回収したゴミは約2カ月後、「こうのとり」と共に地球の大気圏に再突入し、燃え尽きてしまいます。日本は人類の科学・工学知識の進歩のための国際協力の一環として、宇宙ステーションへの補給ミッションを7回実施することになっており、今回成功したミッションはその2回目です。

ではまた次回。

ジム

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