Z Notes Blog by Jim Zumwalt
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ゲストブロガー  ジョン・テイラー 「日米文化交流――岩手編」

(2011年5月27日)

 今回のゲストブロガーは、在札幌米国総領事館で広報文化交流担当領事として働くジョン・テイラーさんです。先頃、岩手県を訪れた時のことをつづっています。

ジム


娯楽で人々を元気に

岩手の避難所でステージに立つ私

 私の仕事のひとつは、北日本の皆さんにアメリカ文化を紹介・説明し、日米両国の相互理解を深めることです。この目標の達成に向け、私たちはさまざまな方法を用います。例えば3月22日には、福島県郡山市の公立図書館で「アメリカ映画祭」の開催を予定していました。ところが3月11日に東日本大震災が発生し、その直後に映画祭を中止せざるを得ないことが明らかになりました。というのも、会場に予定していた図書館が大きな被害に遭ったからです。

 震災後状況が落ち着くと、被災地の皆さんに楽しんでいただける文化的な催しをしたいと強く思うようになりました。そこで考えついたのは、簡単でどこでも開催できるプログラムでした。ギター持参で向かった先は岩手県。陸前高田市と大船渡市の避難所で、アメリカのポピュラー音楽の紹介を兼ね、12~14曲ほど弾き語りをしてきました。

 私自身、ミュージシャンとしての力量に限界があることは百も承知しており、せっかく聴いてくれる人たちをひどくがっかりさせたくないとの思いがありました。ならばと、本場の「スモア(s'mores)」作りに必要な材料と道具も現地に持ち込みました。この「スモア」というのはアメリカの伝統的なおやつの一種です。あまりにもおいしいため、ひとつ食べると「s'more (some more)」とおかわりをしたくなります。「スモア」は本来、キャンプファイアであぶるのですが、バーベキュー用グリルでもうまくいきました。

マシュマロを焼いて「スモア」を作る子どもたち

 今回のプログラムは好評でしたが、特にウケたのが「スモア」でした。避難所の皆さんにはひと時の気晴らしになったようでした。皆さんが依然として困難な状況にあることに変わりはなく、当日は私も屋外で一晩過ごさなければなりませんでしたが、今回の訪問では聴衆の皆さんよりも、私の方がもっと多くのものを得たことは確かです。被災者の皆さんとお会いして、私は大きな感銘を受けました。皆さんの立ち直る力、忍耐強さ、そしてお互いに助け合いながら生活を立て直し、復興しようとする決意に心が動かされました。

 私は今回の岩手訪問を決して忘れないでしょう。東北地方で文化交流の催しをもっと開催できることを待ち望んでいます。そして予定していた福島県での映画祭も日程を組み直し、近いうちに実現できればと考えています。

ジョン・テイラー

COMMENTS

ジョン様

岩手文化交流会ありがとうございます。東北大地震被災地でもある岩手県の皆様もきっと異国の風を光を感じたことでしょう、勇気付けられたことと 思います。ありがとうございます

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