Z Notes Blog by Jim Zumwalt
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ゲストブロガー リチャード・メイ 「東北の仮設住宅建設支援に参加して」

 今回のゲストブロガーは、在日米国大使館の文化交流担当官のリチャード・メイさんです。

ジム


震災から半年――今も必要とされるボランティア

棚作りに精を出す私(右)

 3月11日の東日本大震災の発生直後、私の頭の中にある人物のことが思い浮かびました。世界各地の自然災害で住む家を失った被災者への支援活動をしている建築家、坂茂(ばんしげる)さんです。坂さんが得意とするのは、有機的な素材を使った頑丈な仮設住宅の建設。東北の被災地では、坂さんと彼の下で働く建築士が紙管とカーテンを用いた間仕切りを避難所に届け、あけっぴろげの室内で避難所生活を送る人たちが最低限のプライバシーを保てるようにしました。

 私も被災地支援の募金に協力しましたが、その際、仮設住宅の建設でお手伝いできる機会があればボランティアさせてほしいというメッセージを添えました。すると8月に、坂さんたちが立ち上げた「ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク(VAN)」から連絡をいただき、仮設住宅の新規建設計画についてお話がありました。

私が現地滞在中、皆さんとこしらえた棚は140台

 妻と息子共々、私が宮城県の女川町に入ったのは9月4日のこと。そこで目にしたのは壊滅状態となった町の様子でした。その後、大学生と大学院生が中心のボランティア16人が多くの被災世帯と共に滞在している町の小学校の避難所に向かい、彼らと合流しました。

 翌朝、私たちが向かった先は、破壊を免れた高台の運動公園の野球場にある仮設住宅の建設現場でした。隣接する運動場にはすでにおよそ100戸の平屋建て仮設住宅が完成していて、被災者の方々が数カ月前から住んでいました。大きな体育館では、まだ100世帯以上の被災者が、紙管とカーテンの間仕切りで隔てただけの居住空間で暮らしていました。

建築家・坂茂さんのボランティアネットワークが建設している仮設住宅

 町には確保できる平地がほとんどありません。そこでVANが計画したのは、貨物用コンテナを活用した2~3階建て仮設集合住宅の建設です。収容できるのは189世帯。プロの建設作業員が金属製コンテナを積み上げ、水道と電気の工事を行っている間に、私たちはこの仮設住宅に使う棚の組み立て作業に取り掛かりました。

 仮設住まいの被災住民の間からは、ただでさえ手狭な居室が身の回り品で足の踏み場もなく、これを片付ける収納スペースがあれば助かるという声が聞かれました。私たちが9月5日の米国の祝日を利用して参加した2日間の作業では、140台の棚を組み立ててペンキを塗りました。

 女川町仮設住宅建設プロジェクトは少なくとも11月まで続き、集会所や図書室などの付帯公共施設の増設のほか、商業スペースもできることになっています。VANはこのプロジェクトが続く限り、新しいボランティアを歓迎しています。私も家族共々、秋にはまた東北へ足を運ぶことにしています。皆さんも参加してみませんか。(関心のある方は私にご連絡ください。メールアドレスはこちらです

リチャード・メイ

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