Z Notes Blog by Jim Zumwalt
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日米協力と金融危機

(2009年4月30日)

 3月に私は早稲田大学で講演しましたが、その時、次のような質問を受けました。

「現在の金融危機は世界中の関心事となっています。米国の財政緩和は、金融緩和を伴うものになると思われます。これに関連して、日本との協力が米国にとって重要だと思われますが、この点についてお話しいただけますでしょうか」

 これはとても良い質問だと思います。国際的な金融危機が非常に重大な問題であることは、言うまでもありません。

 オバマ政権の米国経済再活性化政策には3つの柱があります。米国が最初になすべきことは、国内の経済問題に取り組むことです。それは、こうした問題が他国に大きな影響を及ぼすことが明らかだからです。米国が行なおうとする3つの施策のうち、第1の分野は、非常に大規模な財政出動による景気刺激策です。この景気刺激策には、何もしなかった場合よりも高い水準まで国内総生産(GDP)を押し上げる効果が期待されており、今年は1%近く、来年は3.2%以上の成長を見込んでいます。ですから、とても大規模な景気刺激策です。

 第2の分野は金融安定化です。これには、銀行の不良資産の処理を進め、銀行の体力強化のために追加的な公的資本の注入を行い、消費者と企業の双方への信用の流れを改善する措置が必要になります。

 第3の分野として、過去と同じような問題に再び陥らないよう、金融システムの規制に取り組んでいく必要があります。こうした仕事の大部分は国内の措置ですが、もちろん、米国としては、G20や金融安定理事会のプロセスを通じて、日本をはじめとする関係各国と協調していきたいと思っています。現在の金融システムは世界的規模になっているため、国際的に協調する必要があるからです。ですから、米国が日本や欧州連合などの関係各国と協力していくのは当然のことです。

 しかし、財政状況は国によって異なります。すべての国が同様の財政出動による景気刺激策を講じなければならない、などと言うつもりはありません。それでも、米国としては、共に世界経済の成長に寄与すべく、日本などの世界の経済大国による国内の経済問題への取り組みにとても大きな関心を持っています。

 また、金融危機の直撃を受けている新興市場や途上国の支援のために、国際通貨基金(IMF)やアジア開発銀行といった国際金融機関の強化に向け、日本と協力していきたい、と考えています。

ではまた次回。

ジム

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