Z Notes Blog by Jim Zumwalt
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岐阜の鵜飼い

(2009年8月26日)

夕食でいただいた風味豊かな鮎の塩焼き

 「鵜(う)飼い」のことを初めて知ったのは、私が生まれ育ったサンディエゴの小学校5年生の時のことで、担任の先生から聞きました。それ以来、岐阜県の長良川に行って、鵜飼いのアユ漁をこの目で見てみたいと思っていました。ご想像通り、宮内庁から、妻のアンと私に鵜飼い見物のご招待をいただいた時は、まさに飛び上がらんばかりにうれしく、すぐにお受けしました。

(写真提供 岐阜市)

 観覧船に乗り込む前、砂地の川岸で鵜匠(うしょう)の杉山さんにお会いしました。杉山さんからは、「鵜舟」という鵜匠が鵜飼いに用いる舟と、飼っている鵜についての説明がありました。杉山さんの話では、ご自宅で鵜を飼っており、その中からどの鵜を連れて漁に出るかは、それぞれの鳥の健康状態や気質を基に、その日に決めるそうです。杉山さんはその中の1羽を紹介してくれました。なんと、16年間も杉山さんと一緒に仕事をしてきた相棒だそうです。

 また、杉山さんは、鵜匠が鵜飼い漁の時に身に付ける独特の装束を見せてくれました。かがり火の火の粉で髪の毛が燃えないように「風折烏帽子(かざおれえぼし)」と呼ばれる紺色の麻布を頭にかぶり、紺色の木綿素材の「漁服」を身にまとい、水しぶきを払うわら製の「腰みの」を付け、そして、ぬれた舟の中で足が滑らないように、通常の半分ほどの大きさしかない「足半(あしなか)」というわら草履を履いていました。

(写真提供 岐阜市)

 観覧船に乗り込み、鵜舟と並走して川を下りました。川の流れは私が思っていたより急でした。実際に見物するまでは、鵜たちがすべての仕事をすると思っていましたが、それぞれの鵜舟に乗り込んだ3人の鵜匠たちは、急流の中で舟を操り、鵜をつなぐ細い糸同士が絡み合わないようにし、鵜が魚を捕らえたら糸を手繰り寄せて舟に乗せ、獲物を吐き出させる、といった作業で大忙しでした。鵜飼い漁見物の後は、たくさんの日本料理が並ぶ素晴らしい夕食を楽しみました。もちろん、取れたてのアユの味は格別でした。

 アンも私も、1300年以上の歴史がある、この日本の伝統について学び、素晴らしいひとときを過ごすことができました。日本での生活の中で最も楽しみにしていることのひとつが、古くからの風習について学ぶことです。岐阜の文化的遺産を守る日本の努力をうれしく思っています。

ではまた次回。

ジム

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