Z Notes Blog by Jim Zumwalt
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母の日

(2010年5月7日)

1984年に神戸のビアガーデンで母と

 「お生まれはどちらですか」。私の母は、まだ幼い私を連れて買い物などに出かけると、よくこのような質問を受けていました。そして決まって「スイス生まれです」と答えていました。みんな初めて会う人たちなのに、母が外国の出身だとすぐ分かるようで、子供心に不思議に思いました。

 私が5歳くらいだったころのある日、姉のフランシスに、みんなが同じ質問をするのはなぜか聞いてみました。すると、姉は「ママの英語には外国訛りがあるからよ」と教えてくれました。自分の無知を認めるのもしゃくなので、「訛り」がいったい何なのか、姉に聞き返すことはしませんでした。でも、それから数日は、母の話し方に注意深く耳を傾けて「訛り」を突き止めようとしました。できるだけ一生懸命聞いてみましたが、私には母の声は自然に聞こえました。

 大きくなってやっと、自分の家には、友達の家と少し違うところがあると分かるようになりました。家では時々、ほかの家とは違う料理を食べること、8月1日のスイス建国記念日にスイス国旗を掲げること、クリスマスにヨーロッパのチョコレートのような特別な贈り物が親せきから届くこと、などでした。姉、妹、そして私の3人がもっと大きくなると、母はスイスのやり方とアメリカのやり方の違いを説明してくれるようになりました。母の説明に興味を引かれる時も、そうでない時もありました。けれど、私が時々関心を持たないことがあるにもかかわらず、母はあきらめず、私たちが受け継いだ伝統や、米国の外側にある広い世界のことを教えてくれました。

 私自身、海外に住んで初めて、わが子が話す言葉さえ自分の母国語とは違う異国の地に住むことは、母にとってきっと大変だったに違いないと気づきました。日本に住んでみて、「外国文化の中で暮らす」ことについての母の教えに感謝するようになりました。

 お母さん、母の日おめでとう。私たちが外国の文化を理解し受け入れられる人間に育てるために、お母さんがあらゆる犠牲を払ってくれたことに感謝しています。ところで、電話で話していても、母さんにスイス訛りがあるなんて、いまだに気づきません。

ではまた次回。

ジム

COMMENTS

母さん、ありがとう

私の母は愛情いっぱいに私たち4人姉妹をそだててくれました。時には厳しく今想うとその厳しさも愛情人に対する接し方、思いやりを母さんが、母さんの態度で教えてくれました。ありがとういつまでもお元気で母さん大好きです。

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