Z Notes Blog by Jim Zumwalt
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蛍狩り

(2010年7月30日)

(Wikipedia photos)

 夕暮れになると、白川郷には静寂が訪れます。午後4時に観光バスが出発してしまうと、鳥や虫の鳴き声がはっきりと聞こえてきます。午後5時。お寺の住職が、かやぶき屋根の鐘楼につるされた鐘を突くと、その音が険しい緑の山肌に反響して返ってきます。

 「暗くなったら蛍狩りに行ってみてはどうですか」。アンと私がお世話になった民宿のおかみさんから、こんなふうに勧められました。テレビのなかった時代に人里離れたこの村で育ったおかみさんは、子供のころ蛍狩りが大好きだったそうです。当時の白川郷では、そこかしこの田んぼや集落を流れる用水路の上を無数の蛍が飛び交っていたそうです。

 おかみさんいわく、白川郷では田んぼや畑に大量の農薬を使っていたせいで、蛍が年々減少していった時代がありました。今は、その数も少しずつ戻りつつあるそうです。現在では、農家が自然との共生のために、より環境に優しい農法を用いています。

 しばらくしてからアンと私は川べりに行ってみました。すると、おびただしい数の蛍が夜空を飛び回っていて、その光景にとても驚きました。蛍は、遠くに見える星よりも明るく光っていました。カエルの鳴き声を伴奏に、蛍たちは夕暮れ時の涼しいそよ風を楽しんでいるようでした。アンと私のように。

ではまた次回。

ジム

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