Z Notes Blog by Jim Zumwalt
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思いがけない発見

(2010年10月1日)

 都内探訪は気の向くまま足の向くまま、出かける前にあまり計画を立てないのが一番。私はそう思っています。私自身、散歩に行く時は、どこを回るか決めずに出かけることがよくあります。東京はとても長い歴史のある町ですから、あてもなくぶらぶらしていると、しばしば「お宝」に遭遇することがあります。ひなびたお寺、面白そうなお店、あるいは印象的な景色などです。

 6月のことですが、鶯谷駅の東の根岸周辺を探訪してみようと思い立ちました。その日はとても暑かったため、すぐに木陰のベンチに腰を下ろし、一休みしました。同じベンチには年配の男性が座っておられました。この方から、近くの真源寺というお寺と、そこに祭られている「鬼子母神」のことを教えていただきました。この方は根岸で育ったそうです。子供のころ、このお寺の境内にあるザクロの木から、その実をひとつだけこっそり失敬したことがあるという話を聞かせてもらいました。残念ながら、せっかくのザクロはまだ熟していませんでした。その時の苦い味を、何十年も経った今でもまだ覚えているそうです。今ごろはそのザクロの木に花が咲いているだろうからと、このお寺に行ってみるよう勧められました。

 真源寺への道すがら、興味津々だったのは「鬼子母神」という名前に「鬼」と「神」が同居していることでした。門前に着いてみると、立て札にこの女性の神様の由来が書いてありました。インドに伝わる神話では、鬼子母神は性質が凶暴で、子供を食べてしまう神様でした。そこでお釈迦さまは鬼子母神の末子を隠し、子供を失う母親の悲しみを実感させて改心させました。以後、鬼子母神は子供の守護神となったそうです。都内数カ所のお寺には鬼子母神像が祭られており、女性たちが安産・子育(こやす)の祈願に訪れます。

 子を抱く鬼子母神の石像を見ていると気持ちが和みました。鬼子母神の腕に抱かれている子供は本当に幸せそうで、安心し切っているように見えました。そして、あの親切な男性の言葉通り、真源寺境内のザクロの木は鮮やかなオレンジ色の花を咲かせていました。その日の都内散策で、こんなにも素晴らしい「秘宝」に出会えたことに大満足でした。

ではまた次回。

ジム

COMMENTS

ジム様

東京の秋はお散歩に最適です。地方では相当歩かなければ「お宝」にたどりつけないのです。東京では街が密ですし..

田舎には田舎の良いところがあるのですが日本の秋をお楽しみください。

ジム様

そうでしたかぁ~ この頃は地方ボランティア活動の「ゴトウチ見所案内」など聞くことがありますが、ガイドブックより、リアルに現地の人々に案内していただく事が地域活性化につながり、より一層訪れた地域を楽しめるようにおもいます。ワシントンの穴場などジム様に案内していただけるはずもなく...虎ノ門・溜池山王のお勧め美景色どころ等ございますか?

溜池山王辺りでは日枝神社に行くのが好きです。お昼休みはとても静かなのでオフィスの仲間とのピクニックに最適です。

ジム様

オフィスの外へ出てランチピクニック素敵でございます。仕事中では視得ないスタッフのprodyuceぶりを発見したり、青空の下では気持が解放され、思いを交わしたりetc. 日本では、無理矢理「忘年会」や「歓送迎会」へ出席することを強いられがちな部分もございます。

主体性をもって、質の高いコミュニケーションをはかる事が大事なのだと、感じいっております。 ありがとうございます。

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