Z Notes Blog by Jim Zumwalt
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ゲストブロガー  デール・ラージェント 「姉妹都市」

(2010年12月17日)

 今回のゲストブロガーは、東京の米国大使館で文化交流担当官として働くデール・ラージェントさんです。ラージェントさんは、アメリカのダルース市と日本のいすみ市の関係についてつづっています。

ジム


二都物語――ダルース市といすみ市

いすみ市の「日米親善平和の鐘」を鳴らすドン・ネス・ダルース市長と太田洋・いすみ市長

 一口に「姉妹都市」といってもその関係は千差万別です。先日私は米国大使館を代表し、1組の姉妹都市の誕生20周年を祝う記念式典に出席しました。この姉妹都市関係構築の背景にはある特別な物語が隠されており、太平洋を挟んだ日米両国民が参加する素晴らしい交流プログラムがこの関係を支えています。

 千葉県の「いすみ市」と米国ミネソタ州の「ダルース市」。この日米2つの都市が結び付けられたきっかけは、17世紀に造られたお寺の釣り鐘をめぐる歴史的な偶然の出会いがあったからでした。戦時中、この釣り鐘は溶かされてスクラップになる運命でしたが、なんとか難を免れることができました。そして戦後、米海軍兵士たちがこの鐘を見つけて米艦船ダルース号に積み込み、最終的に、同艦の名前の由来になったダルース市に寄贈しました。

 1950年代半ば、賢明な当時のダルース市長がこの鐘を正当な持ち主である千葉県のお寺に返還しました。1954年、米海軍の艦船が鐘を日本まで運び、温かい出迎えを受けました。港には大勢の人々が駆けつけ、鐘の里帰りを歓迎しました。この釣り鐘は現在、いすみ市内の丘の上にある公園に保存されており、「日米親善平和の鐘」と命名されています。そのお返しに、いすみ市民から、この「平和の鐘」のレプリカがダルース市に寄贈されています。こちらもまた、同市内の丘の上にある公園に置かれ、両市の友好関係を示す永遠のシンボルになっています。

スペリオル湖の西に位置するダルース市(人口 86319人)

 物語はそこで終わったわけではなく、この話には続きがあります。いすみ市とダルース市では、国境を越えた友好関係の大切さを子どもたちに伝えるために、1990年代初めから毎年双方の中学生をお互いの一般家庭にホームステイさせて交流しています。これまで、お互いに何十人もの中学生を送り出してきました。厳しい選抜プロセスを経て選ばれた生徒に、出発前にお互いの国の言葉や文化を学ばせ、彼ら自身とホストファミリーの双方にとって有意義な経験をする土台づくりをしています。

 先日の式典では、まだ若い時に海外へ行き、外国の文化に触れる機会があったおかげで、視野が広がり、あらためて海外留学を考えるようになった子どもたちの話を聞きました。

 「偶然の出会い」から「永遠のきずな」を築いた、いすみ市とダルース市の皆さんを心からたたえたいと思います。そのきずなは次の世代にも引き継がれていくことでしょう。

デール・ラージェント

COMMENTS

デール様へ

先日は、はるばるいすみ市においでいただき心よりお礼申し上げます。当日は忙しくおれいも十分に申しあげることができなく心残りでございました。

このたびは、私どもの姉妹都市の記事を紹介していただきありがとうございました。毎年9月11日に、いすみ市とダルース市の両市で同日同時刻に平和の鐘を鳴らし平和の音が太平洋の真ん中で融合し平和のこだまが世界に鳴り響くこと祈るイベントも開催しております。デール氏ともしまたお会いすることがありましたら是非ごいっしょに大原の平和の鐘を鳴らし世界の平和をお祈りしたいと思います。

荘司 和嘉子
いすみし国際交流協会会長

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