(2011年1月28日)
祈りの呼びかけ
1786年1月16日、バージニア州議会は「信教自由法」を採択しました。トーマス・ジェファーソンが起草したこの極めて重要な文書は、米国憲法修正第1条に盛り込まれた「信教の自由」や「政教分離」などの概念の元になったものです。大きな意味を持つこの文書の採択を記念し、アメリカ大統領は毎年、1月16日を「信教の自由の日」と宣言しています。
この機会をとらえ、東京アメリカンセンターでは先頃、米国の宗教生活の多様性を祝う夕べを催しました。この会は東京のイスラミックセンターからお越しいただいたイマーム(イスラム教指導者)による祈りの呼びかけで始まりました。アラビア語は分からなくても、信者に祈りを呼びかける時の力強い声と熱心な表情から何かが伝わってきて、心が揺り動かされました。
音楽と宗教儀式の関係について話すスティーブン・モーガン教授
続いてスティーブン・モーガン立教大学教授から、何世紀にもわたり音楽が宗教儀式の中で果たしてきた役割について説明を受けました。その例として教授が引き合いに出したのは、ヒンズー教、キリスト教、ユダヤ教、そしてアメリカ先住民の宗教など、さまざまな宗教の礼拝でした。それから英国大使館の合唱団が古典音楽と現代音楽から何曲か選び、その歌声を披露してくれました。
英国大使館合唱団と一緒に歌うアン
オバマ大統領は米国の宗教の多様性について次のように述べています。「わが国は時として、宗教的表現と実践の自由を保障するという重要な責務を全うしなかったことがある。しかし信仰の異なる人々が、相互の尊敬と法の下での平等に基づき共存する国家であることに変わりはない。信教の自由を守るアメリカの決意が揺るぎないものであればこそ、われわれはひとつの国民として結束している。寛容で公正、かつ力強いこのアメリカという国を支えているのは、われわれの持つ価値観の力である」。
ではまた次回。
ジム
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