Z Notes Blog by Jim Zumwalt
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力を合わせてがんと闘う

(2011年2月8日)

増田紘子医師(正面中央)、箱島信一日本対がん協会理事長(同左端)、オリバー・ボーグラーMDアンダーソンがんセンター副所長(同右端)(写真提供 日本対がん協会)

 「3つの夢」がひとつに――そんなすてきなことが実現するイベントに先日出席しました。日本のある若手がん研究者が、米国のテキサス大学MDアンダーソンがんセンターで1年間研究することになり、その研究奨学金授与式が東京アメリカンセンターで開催されたのです。これは、日本対がん協会(JCS)が、全米屈指のがん専門総合病院として知られるMDアンダーソンがんセンターと協力して始めた新しい研修プログラムです。

 「わが国の若手医師の指導力育成と、日本国内で患者中心の医療の向上について研究する彼らの取り組みを支援していきたいと考えています」。JCSの箱島信一理事長はそうおっしゃっていました。JCSは米国で学ぶ日本人の医療研究者数が減少していることを懸念し、この交流プログラムを始めることにしたのです。奨学金提供が可能になったのは、JCSが米国がん協会と協力して開催する募金活動「リレー・フォー・ライフ」のおかげです。

 MDアンダーソンがんセンターの国際研究プログラム担当副所長のオリバー・ボーグラー博士から、同センターの長期的な使命はがんを治すことと伺いました。しかし当面の間は、がん研究の進歩がもたらす恩恵を世界中の患者さんが受けられるよう、がんの治療法を向上させていきたいと考えているそうです。この使命は同センターだけでは達成できない、とボーグラー博士は言います。そこでMCアンダーソンは国際パートナーに、がんとの闘いでの協力を呼びかけています。同センターが世界中からがん研究者を受け入れているのは、開放・協力・国際的な環境が、がん研究の飛躍的な進歩につながると考えているからです。

 奨学金を受け取った医師の増田紘子さんは流ちょうな英語で、アメリカで世界有数のがん研究者と研究することは私の夢でした、と話してくれました。増田さんは、岡山大学病院で乳がん患者を担当していた時、患者さんにでき得る限り最善の治療をしてあげたいと考えていたそうです。今度はMDアンダーソンで、腫瘍専門医、外科医、放射線技師、セラピスト、ソーシャル・ワーカー、看護師、そして患者さん自身が、最も適切な治療法を決めるために意見を出し合う、米国式のチームによるがんの研究を学びたいと思っていると増田さんはおっしゃいました。

 増田さんはとても聡明な魅力ある方で、患者さんのための医療向上を目指すことを固く決意していらっしゃるようだったので、MDアンダーソンの医師や研究者も増田さんの参加から得るところがとても大きいのではないかと思います。

 この日、JCS、MDアンダーソンがんセンター、そして増田医師の夢が実現に向けて前進したのを見ることができ、とてもうれしく思いました。

 今回のブログをがんを克服した私の姉フランに捧げます。

ではまた次回。

ジム

COMMENTS

増田様 ジム様

「夢をかなえる努力」は計り知れない事でしたでしょう。 お話お聞かせいただき努力と忍耐を明るくあたたかいものと感じました。ありがとうございます。

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