Z Notes Blog by Jim Zumwalt
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出島

(2011年3月1日)

長崎湾の出島――シーボルト著「ニッポン」より (Wikipedia photo)

 人工島の「出島」も長崎の魅力的な史跡のひとつです。サッカーグラウンド2面分にも満たない面積のこの島は、日本人が西洋人と交流できる唯一の場所として1641年から1859年まで重要な役割を果たしていました。

 最近「The Thousand Autumns of Jacob de Zoet(ヤコブ・ダズートの千秋)」という小説が米国でベストセラーになっています。これは架空の物語で、1800年に出島にやって来た若いオランダ人の簿記係の生活と冒険を描いたものです。作者のデービッド・ミッチェルは、出島とそこに住んでいた居留民について膨大な時代考証を行いました。長崎の大火やイギリス軍艦の突然の来航など、この本に描かれる事件の多くは史実に基づいています。

 とても多くのアメリカ人が長崎を舞台にしたこの小説を読んでいるのは、作者のミッチェルが主人公たちの感情を微にいり細にわたり表現しているからだと思います。小説の中では、日本人とオランダ人の登場人物が言葉の壁と文化の違いからくる誤解を乗り越え、その過程でお互いから多くのことを学んでいきます。

 うれしかったのは出島の復元工事を目にしたことです。扇型をした出島の復元と、1800年当時の外観そのままの10棟の建物の建設は、前回私が訪れた時からずっと進んでいました。工事現場では、出島の歴史や出島に居留していたオランダ人貿易商たちの暮らしぶりについて、ボランティアの皆さんから説明していただきました。長崎の歴史的遺産をとても誇りにしておられるボランティアの皆さんにお会いできて本当に良かったと思います。

ではまた次回。

ジム

COMMENTS

ジム様

 「ヤコブ ダズートの千秋」ワクワクしますね?
  冒険小説は生きる工夫と知恵を感じます。

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