Z Notes Blog by Jim Zumwalt
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横浜開港資料館

(2011年6月17日)

横浜開港資料館の上山館長(左)に歴史的文献を手渡す私

 在日米国大使館で去年、職員が資料の整理をしていると、偶然、驚くべきものが見つかりました。それはタイプライターで打った手記でした。共立女学校(現・横浜共立学園)の第4代校長を務めた米国人宣教師のクララ・ルーミスが1923年に書いたもので、今から50年以上も前に、別の米国人宣教師の手を経て、横浜にあった当時の米国総領事館が保管を託されたものです。

 手記に目を通すと、ルーミスさんは1923年の関東大震災の発生当日、群馬県で保養中だったようです。彼女は横浜の外国人居留地を襲った大震災と火災の直後に見聞きした様子を書き記しています。震災の惨状を描き出す彼女の言葉に心を打たれ、涙が出てしまいました。

 貴重な手記だけに、大使館で保管したまま日の目を見ないのはあまりに忍びないと思い、横浜開港資料館に手記を寄贈したいと打診してみたところ、快諾を得られました。手記は同館が保存し、歴史学者の研究材料になります。

1923年の関東大震災の英国人犠牲者を悼む追悼式の写真を使った当時の絵はがき

 手記を渡すため、私が横浜開港資料館に出向いたのは先日のことでした。資料館では一葉のモノクロ写真の複製をいただきました。この写真は、震災の犠牲者を悼むため、1923年に横浜の英国領事館で行われた追悼式の様子を撮影したものでした。ルーミスさんが手記の中で書き記していたのはまさにこの追悼式のことだとすぐに分かりました。彼女が克明に描写した追悼式の写真を目にし、私は心が動かされました。

 横浜開港資料館の上山館長によると、当時の横浜の外国人居留地についての文献は非常に珍しいそうです。資料館ではこの手記の内容を分析し、2013年の震災90周年展で一般公開する予定だそうです。この歴史的文献の落ち着き先がようやく決まり、私もほっとしています。

ではまた次回。

ジム

COMMENTS

ジム様

昔から日本はアメリカのみなさんに助けられていたのですね、ありがとうございます。私などは手記には残すことはできなくともちゃーんと心のフィルムに摂っておきます。ジム&アン奥様、ルース大使ご家族、アメリカのみなさまありがとうございます。

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