諏訪神社のこま犬
(2011年2月22日)
長崎県長崎市、諏訪神社。玉園山の中腹まで続く227段の長い石段を登り切った先に、この社はあります。青息吐息で神社の大門にようやくたどり着き、そこで一息つくと、目の前に優美な拝殿が見えました。
その日の境内は人影もまばらでした。実際あまりの静けさで、この美しい木造の拝殿の左裏手辺りから、水の流れるようなかすかな音が聞こえてきました。腰を下ろせる場所がないかと探しながら歩いていくと、その心地良い水音がする場所が見つかりました。
ほんのわずかな量の水が、拝殿裏手の傾斜が急な岩の斜面をつたい小さな滝のように流れ落ちていました。ふと気がつくと、そこには一対の「こま犬」が、この滝へ続く道を挟んで向き合い、門番をしているようでした。
見たところ、このこま犬は2匹とも両前脚が何か白いものですっかり覆われていました。ほとんどギブスを付けているのと同じです。考えてみたら、石でできたこま犬が足を骨折するわけがないので、そばに行って確かめることにしました。
そこでようやくナゾが解けました。こま犬の脚に巻きついていた「白いもの」の正体は「コヨリ」でした。たまたま見かけた、庭を手入れ中のとても親切な方に伺ったら、悪習慣を断ち切ると誓って願掛けする人々がこの諏訪神社に参拝し、こま犬の脚にコヨリを結び付けて、願掛け成就を祈願するそうです。こま犬の脚はびっしりとコヨリが巻きつき、すっかり覆われていました。
長崎では親切な方々にお会いしました。その数からすると、大半の方たちはなんとか誓いを守っているようですね。
ではまた次回。
ジム
ジム様
では、私たちは心と心にコヨリをつけてまいりましょう。